歯痛の原因はむし歯ではなく歯ぎしり?

むし歯が多いわけでもない、かみ合わせが悪いわけでもないのに「すぐに詰め物が取れてしまった」「朝起きると口の中にざらつきがあり歯が欠けてしまっていた」などという症状に思い当たりはありませんか?
無意識で歯に加わる「過剰な力」が原因かもしれません。
宮歯科医院にお越しの患者様でも、しっかりいれたはずの詰め物が短期間で取れてしまったり、歯根が折れて抜歯になってしまうなど思わぬトラブルをかかえて繰り返し来院される方がいらっしゃいます。
この繰り返しが起きるのはなぜなのか、それは歯に加わる過剰な力が原因。
ストレス社会の中、ご自身のストレスを無意識に発散するために歯ぎしり(ブラキシズム)やくいしばりをすることでその力が歯を傷め、患者様を苦しめている場合がございます。
歯に加わる力は強い人で約200kgほどの場合も
通常食事をする際の「噛む力」は一般的に男性で約60kg、女性で約40kgと言われています。
歯ぎしりの際、歯に加わる力は平均で80~100kg、強い人では約200kgに及ぶと言われており、それだけの力が頻繁に歯に加われば歯が欠けてしまったり、折れたりしても不思議ではありません。
歯ぎしり(ブラキシズム)の種類
グラインディング
「ギリギリ」と歯をすり合わせる歯ぎしり。一般的に歯ぎしりと言われているものがこれにあたります。
クレンチング
「ググッ」と上下の歯を強く噛み合わせる歯ぎしり。音が出ないので気づかないことが多い。
タッピング
「カチカチッ」と歯を打ち鳴らす歯ぎしり。歯ぎしりの中ではまれなタイプ。
無意識にしていることをコントロールできるのか

無意識に行われている歯ぎしり・くいしばりはストレスの発散に必要なものですが、歯にとっては大変な脅威です。現代のストレス社会のなか、歯ぎしり・くいしばりは誰もがしていると思っていいでしょう。初診の患者様に「歯ぎしりの自覚はありますか?」とお伺いしても実に90%以上の方は無自覚です。就寝中の歯ぎしりは音のない歯ぎしりが多く、激しい歯ぎしりをしていても自覚症状がないことがほとんどです。
まずは日中の食いしばりに気づくことができれば減らすことは容易なのです。
歯ぎしり・くいしばりの痕跡はここでチェック
- 歯医者さんで「もっと大きく口を開けてください」とよく言われる。
- 頬の内側の粘膜が勝手にぴくぴくと痙攣する。
- エナメル質が部分的にはがれ(楔形欠損など)着色している。
- 歯の噛みあう面が摩耗して減っている。
- 前歯の先が溝状にへこんでいる。
- 奥歯の金属のクラウンにしわが寄っている。
- 詰め物が良く取れる。
- 詰めものやかぶせものの周りによくむし歯ができる。
- ブリッジが壊れやすく、歯が折れてしまう。
- クラウンやブリッジを噛んだ時の高さが気になって仕方ない。
歯ぎしり・食いしばりの治療法
ナイトガードによる治療

歯ぎしりをなくす事はできませんが、その悪影響を少なくすることが大切です。
宮歯科医院では、多くの歯科医が採用しているマウスピース治療(ナイトガード治療)を行っています。
マウスピース(ナイトガード)は柔らかい素材を使用しているので、上下の歯が物理的に接触することを防ぐことができます。
歯ぎしりの力を緩和して歯にかかる力のストレスを軽減するだけではなく、装着することで安心し、少しでもストレスを軽減できるということも大きな目的です。
マウスピース(ナイトガード)は健康保険を適用できますので、お気軽にご相談ください。
意識改革
咬みしめに注意する、頬杖をつく癖をなくすなど普段の意識を変えていきます。
自己暗示
就寝時に咬みしめない、リラックスしたイメージをもって眠りにつく等。
治療の流れ
初診相談

口腔内の状態を診査します。歯のすり減りや咬耗の状態、骨の状態、粘膜の状態を確認します。
歯型とり

患者さんに合わせたマウスピース(ナイトガード)を作成するために歯型をとります。
歯型をもとに、歯並びに合ったマウスピースを作ります。
完成・装着

1週間ほどでマウスピース(ナイトガード)が出来上がります。鏡を見ながらマウスピース(ナイトガード)を口腔内に装着し、説明いたします。
経過観察
症状が緩和しているかどうか、経過観察していきます。
診察にて、経過をお聞きしながら、治療にあたります。
不安な点がございましたらお気軽にお尋ねください。